歯を失った患者様へ
不運にもご自身の歯を失ってしまったとき、歯の機能を回復するための選択肢には入れ歯治療やブリッジ治療、インプラント治療などの方法があります。それぞれの治療法の特徴をしっかりと理解し、ご自身の希望にもっとも合う治療法を選びましょう。
こちらでは当院で扱う入れ歯の種類や特徴についてご説明します。
入れ歯の種類と素材について
「部分入れ歯」と「総入れ歯」
部分入れ歯
部分入れ歯は、お口の中の歯が一部欠損したときに装着する、取り外し可能な入れ歯です。部分入れ歯は歯のない部分に人工歯のついた床を乗せて支え、残った歯に金属のバネ（クラスプ）をかけて安定させます。
特徴
- 1.保険適用の部分入れ歯、保険適用外の部分入れ歯があり、素材によって異なります。
- 2.ブリッジのように健康な歯を大きく削ることはありません。
- 3.長持ちさせるために日々のメンテナンスが重要です。
- 4.入れ歯の床や金属のバネに異物感を覚えやすく、外見上も目立ちやすくなります。
- 5.固定する際に土台となる歯に負担がかかり、健康な歯の寿命を縮める場合があります。
総入れ歯
総入れ歯とは、歯が１本も残っていない場合に装着する、取り外し可能な入れ歯です。
特徴
- 1.保険適用の総入れ歯、保険適用外の総入れ歯があり、素材によって異なります。
- 2.長持ちさせるために日々のメンテナンスが重要です。
- 3.入れ歯を固定して安定させるための歯がないため、お口の中で動いてしまう場合があります。
ブリッジ治療について
ブリッジ治療とは、失った歯の左右に生えている健康な歯を土台にして、橋をかけるようにアーチ状の人工歯を装着する治療法です。
特徴
- 1.入れ歯と比べると割高ですが、保険適用で作製することが可能です。
- 2.入れ歯のような金属のバネがないため、装着時の異物感・見た目ともに改善されます。
- 3.入れ歯よりもしっかりと噛むことができます。
- 4.ブリッジの装着時には歯を失った部分の両隣りにある健康な歯を削る必要があります。また、支えとなる歯に負担がかかり、健康な歯の寿命を縮める場合があります。
- 5.使用する素材によってはメインテナンスが難しくなります。
当院で扱う入れ歯に用いる素材
入れ歯は主に、次の3つの部品で構成されています。
- 1.粘膜に接する床の部分（レジン床や金属床など）
- 2.人工歯（レジン歯、硬質レジン歯・陶歯など）
- 3.入れ歯を残った歯に固定するためのバネ（金属バネ・金属ではない見えにくいバネなど）
上記の素材をうまく組み合わせることで、違和感が少なく安定性・耐久性に優れ、外見も美しい入れ歯に仕上げることができます。患者様のご希望やお口の状態を加味したうえで、どのような入れ歯が良いかをご提案いたします。
レジン床義歯
レジン床義歯とは、入れ歯の床の部分がレジン（合成樹脂）で作られたものです。
特徴
- 1.保険適用の素材であり、安価に作製することができます。
- 2.厚みがあるため、装着時に異物感を覚える場合があります。
- 3.飲食時に熱が伝わりづらく、耐久性もあまり強くありません。
金属床義歯
金属床義歯とは、入れ歯の床部分に金属を使用した入れ歯です。
特徴
- 1.保険適用外の入れ歯です。
- 2.金属の床を薄く仕上げることができ、異物感が軽減されます。
- 3.熱が伝わりやすく、食事の温かさや冷たさを感じることができます。
- 4.チタン製の金属床は非常に軽量で、アレルギーの心配もありません。
ノンクラスプデンチャー
ノンクラスプデンチャーとは、金属のバネを使用しない部分入れ歯です。通常の部分入れ歯と比べて見た目の美しさや機能性に優れています。
特徴
- 1.保険適用外の入れ歯です。
- 2.薄い仕上がりと弾力性の高い素材により、快適に装着することができます。
- 3.入れ歯の色調が周囲と同化するため、一目では区別できないほど自然な見た目です。
- 4.金属のバネがないため、アレルギーの心配もありません。
入れ歯治療を受けた後の注意点
せっかく入れ歯を作製しても、積極的に使用しなければいつまでもお口に合わず、うまく食事を取ることもできません。これは、保険適用の入れ歯も、保険適用外の入れ歯も同じです。
入れ歯をご自分の身体の一部として使いこなしていくためにも、入れ歯作製後はお口に早く馴染むように積極的に入れ歯を使っていきましょう。
ただし、どうしても入れ歯を使うのに抵抗がある方には他の治療プランの提案させていただきます。→インプラント治療へ