こんにちは。
川崎市中原区の歯医者「武蔵小杉コモンズ歯科」の歯科医師の中村です。
私は「口育士」という資格をもっており、今回は口育のことについてお話したいと思います。
息をすることと物を食べること、すなわち呼吸と嚥下は生命にとって極めて重要な行為ですが、最近の子どもは「口呼吸」「異常嚥下癖」など呼吸と嚥下が不正常な子どもが沢山見受けられるようになりました。それはなぜでしょうか。理由はいくつかあります。
- 食生活の変化
食事が欧米化に伴いやわらかく、食べやすいたべものが増えたことで噛むことに必要な筋肉や舌をあまり使わなくなった
- アレルギー疾患の増加
年々花粉量が増加しアレルギー性鼻炎の子どもが増えている
- 口遊びの減少
おもちゃの電子化により風船遊びや水鳥笛、口笛、風車など口を使うような遊びが減ってきていている
- タブレットやゲームによる姿勢の悪さ
タブレットの視聴やゲームの時間が増えスマホ首といわれる頭部が前傾し猫背の子どもたちが増えています。このような姿勢は舌の位置が下がり口呼吸を助長します
こういった行為は歯並びだけでなく全身に大きな影響を与えてしまします。
そしてこれらの問題は「舌」が大きく関連しており実は新生児期からの哺乳の仕方、指しゃぶり、おしゃぶり、離乳食の与え方、ストローの使用などにたいして注意をしていく、正しい方法を習得する必要があります。
口育には「舌」がとても大事です。
舌が下がることで口呼吸になり、また口呼吸の子どもは必ず舌が下がっています
実はあまり知られてはいませんが口呼吸はとても怖いのです。
口呼吸によって起こりうる問題は歯並びはもちろんのことそのほかに
- 虫歯や歯周病になりやすい
- 口臭が強くなる
- アデノイドなど扁桃腺の肥大より感染症にかかりやすい
- 睡眠障害、いびきをかきやすくなる
- 酸素が脳に十分にいきわたらないため集中力が欠ける
- 呼吸が浅くなる
- 正常な発音が習得できずに舌たらずになる
- 異常嚥下により丸のみになり消化不良を起こす
このような子どもたちが増えていることにより2018年より歯科保険においてこれらに対して「口腔機能発達不全症」という病名がつき歯科保険治療での対応が可能となりました。
こういった呼吸や嚥下に関わる舌や周囲筋である頬や口唇の不正常な使い方を正常にするMFT(筋機能療法)を当院では行っております。
月に1度程度来院していただき患者様に合わせたトレーニングメニューを行います。その際に家でやっていただく宿題がでますが1日のうちほんの5分から10分程度のものです。
また小さいお子様にも可能なゲーム感覚でできるものあり、親子で楽しくトレーニングできたらよいなと考えております。
歯科矯正やマウスピース矯正のプレオルソと併用することも多くあります。これは後戻りの防止でもあります。
口を育てて口から健康になりましょう。