虫歯治療の流れ(スタッフの治療を公開します)

こんにちは。川崎市中原区の歯医者「武蔵小杉コモンズ歯科」の吉田です。

今回は、当院で行っている虫歯治療の手技のお話をします。

虫歯治療を受けた事がある方は多いと思います。しかし、実際お口の中でどのような手技で治療が行われているかは、知らない方が多いのではないせしょうか?
虫歯治療が必要な場合はいくつかあります。
歯に穴があいたり、冷たい物がしみたり、詰め物の中に新しい虫歯ができたり。ご自身で症状を自覚され来院される方もいますが、検診を受けた際に、虫歯を指摘されるケースも多いと思います。
私たちが虫歯を診断する際には、視診(目で直接判断)、レントゲン所見、透照診(強い光を歯に当て、内部の透け感を判断)、温度診(温度刺激に対する反応を判断)、打診(歯を少し叩いた時の症状を確認)、咬合診(歯と歯の間に物を介在させて強く噛んだ際に症状があるかの確認)等々、様々な診査を行い、虫歯なのか、もしくは虫歯の重症度を判断していきます。

今回は、当院のスタッフを治療した際に私がどのように診断し治療を行ったかを紹介しようと思います。

20代女性で、右上の奥歯にフロスを通すと少し痛みを感じ、ひっかかるとの事でした。
まずは、視診を行います。
明らかな穴があいていないか?歯の中が透けていないか、確認します。私の場合は、拡大鏡を使うので、様々な角度から細かく見ていきます。

 

右上の奥から2番目の歯の手前側が少し黒く見えます。噛む部分には、以前に樹脂を入れた治療の形跡があります。フロスを通す以外では特に自覚症状はありません。写真を見ての通り、特に大きな穴があるわけではありませんが、歯と歯の間から虫歯が広がっている可能性があるため、レントゲンを撮って確認します。

基本的には、全体的なレントゲンを撮影し、当該の診査だけではなく、全体的に問題ないかも確認します。右上の奥から2番目の歯は、レントゲンでは左側に写ります。 
少しわかりずらいですが、緑色でなぞったラインの部分が虫歯を疑う所見になります。
総合的に判断し、今回は歯の間から中に広がる虫歯と判断し治療にあたる事にしました。

樹脂の下が汚れている場合もあるので、人工物も一度全て取り除きます。
虫歯の深部は、神経に近い可能性もあるので、局所麻酔を行い、治療を開始します。

歯を慎重に削っていくと、中の虫歯が露見してきました。ここで注意が必要なのは、黒ければ虫歯という訳ではないという事です。歯の色が生体反応によって色が濃くなっている場所があるからです。
歯に虫歯菌が入り込み、感染を起こしている場所が虫歯と考え、感染部を取り除く事が大切です。感染部を確認するには、検知液と言って、特殊な染め出し液が存在します。当院は、虫歯による感染部が青色に染まる物を使用しています。

染めては、感染部を除去し、また染めて。何度か繰り返す事により、最小限の切削で虫歯を取り除き、健全な歯を温存する事ができます。細かい作業になるので、やはり拡大視野での治療の方が効率的ですし、削りすぎる事がありません。

これで、中は綺麗になりましたので、一度この穴の部分には薬理効果のあるお薬をつめていきます。理由としては、治療後に痛みが出ないかや、日常生活が問題なく行えるかチェックする為です。私は、少なくとも1週間以上は経過を見させていただく事が多いです。
問題が無ければ、最終の詰め物の型どりに治療を進めていきます。
普段の診療でも、このように治療過程を写真に撮って皆様に見て頂いております。虫歯の深さによって、リスクもその後の経過も様々です。何より、自分のお口の中で何が起きているのか、何をされているのかを知ってほしいからです。

虫歯の治療で相談があればいつでもお気軽にご連絡ください。