前歯のセラミックス治療(スタッフの治療を公開します)

こんにちは。川崎市中原区の歯医者「武蔵小杉コモンズ歯科」の吉田です。

開業当初、ふとスタッフの口元を見たときに左上の前歯が変色しているのに気づきました。
今回は、その歯の治療について話していこうと思います。

本人に聞いてみたところ、2~3年前に歯が痛くなり、神経を取る治療を受けたとの事でした。おそらく、虫歯が進行し、歯の内部の神経や血管組織に感染をきたし根管治療を行ったのだと思われます。部分的なレントゲンを撮影して、内部の状態をチェックします。

レントゲンを確認すると、やはり変色した歯は神経の処置が施されていました。内部の組織を取り除き、特殊なお薬で根の内部を埋めています。また、上部の部分は樹脂で封鎖されていました。(コンポジットレジン修復)
当時、治療を行った歯医者の先生からは、徐々に歯の色が悪くなると伝えられていたとの事で、コンポジットレジン修復以外の治療の選択肢はなかったみたいです。
20代の女性で前歯の変色はかなり気になるようで、笑う時にどうしても口元を手で隠すような癖ができてしまったようです。当時はまだコロナ渦の前でしたので、マスクを日常的につける感じではなかったです。
スタッフの全力の笑顔の為に、治療の提案を行いました。

まず、今回の歯の考察を行います。
根管治療を行うと歯の内部の血管組織がなくなる事になります。栄養供給を失った歯はコラーゲンの変性や内部の象牙質の変色によって全体的な色味が濃くなります。透明度が無くなる為、見た目上暗く、審美障害につながります。また、残っている歯の厚みにもよりますが、破折のリスクも高まります。
おそらく前医の先生は、残っている歯の厚みが多かった為、最小限でできるコンポジットレジン修復で治療を終えたと考えられます。現在の状況は、特に歯としては病気ではないので、治療の経過としては問題ありません。
スタッフと今後の経過と希望、審美面と歯の強度面を考え今回はセラミックスによる被せ物の治療を提案しました。
やはり、天然の歯のようなクオリティを求めるとセラミックスの治療は精度が高くなります。被せ物を作製する技工士さんも、前歯のセラミックスは特殊な技術や色彩感覚、歯に対する深い知識を有しています。誰もが簡単に作れる物ではない完全オーダーメイドで、私は芸術作品だと思っております。技工士さんに気持ちよく仕事をしてもらうために、私も丁寧かつ精密に歯を整え、型どりを行います。

拡大視野で歯茎を傷つけないように丁寧に歯を整えます。今回は特殊なゴム製の粘土をつかい型をとりました。


おおよそ2週間程で物が完成します。実際に被せ物を入れた状態です。

一枚目が術前で二枚目が術後です。

拡大時の術前、術後になります。
なんとか、スタッフの全力の笑顔を取り戻す事ができました。
セラミックス治療について相談があればお気軽にご連絡下さい。