歯列矯正を検討している人は、保険適用なのか気になっている人が多いでしょう。
保険適用かどうかによって、歯列矯正で支払う金額は大きく異なります。
そこで今回は歯列矯正が保険適用されるのか、保険適用される症例をまとめました。
歯列矯正を検討している人はぜひ最後まで読んでください。
目次
歯列矯正は保険適用されるの?

歯列矯正は原則保険適用外です。
しかし、すべての歯列矯正が保険適用されないわけではありません。
中には保険適用できる場合もあるため、歯列矯正を検討する際は保険適用されるケースなのかまずは調べるのがおすすめです。
歯列矯正が保険適用外はおかしい?歯列矯正が保険適用外の理由
一般的な歯列矯正は、見た目を良くするために行うことがほとんどです。
日常生活を送る上で問題がなく、ただ見た目が気になるからという理由での歯列矯正は、本来生活する上で必要ない治療のため、保険適用外となります。
美容整形などをイメージすると非常に分かりやすいでしょう。
歯列矯正は子供でも保険適用されないの?
子供の歯列矯正も大人と同様、保険適用されません。
しかし、成長に応じて的確なタイミングで矯正を行えば、大人と比べて矯正のトータル費用を安くすることは可能です。
歯列矯正で保険適用される症例

保険適用される症例は、以下に対する矯正歯科治療のみです。
- 生まれながらにして口の中に異常が見られる先天異常
- 顎の骨の大きさや位置、形が著しく以上でかみ合わせに問題のある顎変形症
- 前歯が3歯以上の永久歯萌出不全の場合に起きる咬合異常 (埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)
そして、厚生労働省が定める先天異常の59疾患は以下の通りです。
- 唇顎口蓋裂
- ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む。)
- 鎖骨頭蓋骨異形成
- トリーチャ・コリンズ症候群
- ピエール・ロバン症候群
- ダウン症候群
- ラッセル・シルバー症候群
- ターナー症候群
- ベックウィズ・ウイーデマン症候群
- 顔面半側萎縮症
- 先天性ミオパチー
- 筋ジストロフィー
- 脊髄性筋委縮症
- 顔面半側肥大症
- エリス・ヴァンクレベルド症候群
- 軟骨形成不全症
- 外胚葉異形成症
- 神経線維腫症
- 基底細胞母斑症候群
- ヌーナン症候群
- マルファン症候群
- プラダー・ウィリー症候群
- 顔面裂(横顔裂、斜顔裂及び正中顔裂を含む。)
- 大理石骨病
- 色素失調症
- 口腔・顔面・指趾症候群
- メビウス症候群
- 歌舞伎症候群
- クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
- ウイリアムズ症候群
- ビンダー症候群
- スティックラー症候群
- 小舌症
- 頭蓋骨癒合症(クルーゾン症候群及び尖頭合指症を含む。)
- 骨形成不全症
- フリーマン・シェルドン症候群
- ルビンスタイン・ティビ症候群
- 染色体欠失症候群
- ラーセン症候群
- 濃化異骨症
- 6歯以上の先天性部分無歯症
- CHARGE症候群
- マーシャル症候群
- 成長ホルモン分泌不全性低身長症
- ポリエックス症候群(XXX症候群、XXXX症候群及びXXXXX症候群を含む。)
- リング18症候群
- リンパ管腫
- 全前脳胞症
- クラインフェルター症候群
- 偽性低アルドステロン症
- ソトス症候群
- グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)
- 線維性骨異形成症
- スタージ・ウェーバ症候群
- ケルビズム
- 偽性副甲状腺機能低下症
- Ekman-Westborg-Julin症候群
- 常染色体重複症候群
- 巨大静脈奇形(頸部口腔咽頭びまん性病変)
- 毛 ・鼻・指節症候群(Tricho Rhino Phalangeal症候群)
- その他顎・口腔の先天異常
引用:日本矯正歯科学会
上記に当てはまる人は治療としての歯列矯正になるため、保険適用内です。
自分が保険適用の症例に当てはまるのかまずは歯科医師に相談するようにしましょう。
顎関節症の歯列矯正は保険適用できる?
顎関節症の歯列矯正は保険適用になりません。
顎変形症と違い、顎関節症は歯列矯正をしたからと言って、治るものではなく顎関節症に対する治療が必要になります。
そのため、歯列矯正は顎関節症の治療とは認められず、保険適用となりません。
歯列矯正で保険適用するといくら?

歯列矯正で保険適用をした場合の自己負担額はおよそ30万円程度です。
保険適用外の場合、100万円程度かかるため、保険適用されることでかなり安く矯正を行うことができます。
ただし、マウスピース矯正の場合30万円程度で行えるケースもあり、保険適用外だから最終的に高額になるというわけではありません。
部分矯正の場合は保険適用外でも、かなり費用を抑えることができます。
歯列矯正で保険適用できるクリニック

歯列矯正の保険適用ですが、どのクリニックでも保険適用できるわけではありません。
中には、保険適用での歯列矯正ができないクリニックも存在します。
そこで、ここでは保険適用できるクリニックの探し方を見ていきましょう。
保険適用できる矯正歯科
保険適用できる矯正歯科は厚生労働大臣が定める施設基準をクリアし、地方厚生局長(支局長)に届け出ていなくてはいけません。
そのため、保険適用できる矯正歯科を探すには、地方厚生局のホームページを使用するのがおすすめ。
保険適用できる矯正歯科の検索手順は以下の通りです。
- 地方厚生局ホームページにアクセス
- 住んでいるエリアをタップ
- 検索欄に「施設基準届出受理医療機関名簿」と入力
- 届出受理医療機関名から、住んでいる都道府県の「歯科」を探しタップ
- 一覧から「矯診」もしくは「顎診」の項目がある指定医療機関を探す
検索して出てきた歯科医院から、アクセスがしやすく信用できるところを選ぶといいでしょう。
また、いくつか候補を絞り、カウンセリングに行くのがおすすめです。
歯列矯正で保険適用以外で費用を安く抑える方法

歯列矯正では、まず保険適用できる人とできない人が存在します。
また、保険適用できたとしても結局3割負担で高額になってしまうことも。
そのため、ここからはできるだけ費用を抑えたい人におすすめの方法をご紹介します。
マウスピース矯正を選ぶ
マウスピース矯正には以下のメリットがあります。
- 価格が安い
- 周囲の人に気づかれにくい
- 通院回数が少ない
- 歯磨きがしっかりできる
マウスピース矯正の相場は10万円~100万円程度です。
矯正の範囲によって料金がかなり異なりますが、ワイヤー矯正と比べかなり安くなります。
また、マウスピース矯正は透明なマウスピースを使うため、ワイヤー矯正と違い、周囲の人に気づかれにくいのが特徴です。
接客業など見た目を気にする人に向いています。
その他、定期的に通院が必要なワイヤー矯正と異なり、マウスピース矯正は最初に1回通院しただけであとは通院が必要ない場合も。
なかなか忙しくて通院する時間が取れない人にぴったりです。
またマウスピース矯正はワイヤー矯正と違い、取り外すことができるので、しっかりと歯磨きができます。
虫歯などの心配がかなり少なくなるでしょう。
歯列矯正を行うなら、ワイヤー矯正よりもマウスピース矯正の方が費用を抑えられます。
部分矯正を検討する
よく見える前歯など気になる部分だけの、部分矯正なら動かす範囲が少ないため、全体矯正より費用を抑えられます。
しかし、歯科医師が「他の歯並びにも問題がある」「その部分をだけでは歯並びがきれいにならない」などと判断した場合は、全体矯正が必要なケースも。
自分の意志だけでは部分矯正を行うことはできないため、まずは相談するといいでしょう。
カウンセリングを無料で行っている医院も多いので、いろいろな歯科医師に相談するのがおすすめです。
歯列矯正の保険適用でよくある質問

ここからは歯列矯正の保険適用でよくある質問をご紹介します。
ここで解決できなかった疑問は、歯科医院で直接質問するといいでしょう。
歯列矯正で保険適用外でも医療費控除できるの?
前年に10万円以上の医療費を支払った場合、確定申告をすれば医療費控除を受けることができます。
しかし、歯列矯正は一部例外を除き、医療費控除は受けられません。
医療費控除の対象となるのは、日常生活に支障があり治療のための歯列矯正と判断された場合のみです。
見た目を良くするための歯列矯正は、医療費は控除の対象外ですので注意しましょう。
歯列矯正は抜歯したら保険適用できる?
歯列矯正での抜歯は保険適用外です。
歯列矯正の過程で歯列のでこぼこを治すために、便宜抜歯(べんぎばっし)と呼ばれる抜歯が必要になる場合があります。
しかし、便宜抜歯は歯列矯正の一環であり、日本の法律では、保険診療と自費診療を同時に行う混合診療を禁じているのが現状です。
そのため、保険適用外の歯列矯正中に、発生した抜歯は同じく保険適用外になります。
歯列矯正の保険適用まとめ

見た目を良くするための歯列矯正は、保険適用になりません。
しかし、保険適用に症例に当てはまる場合、保険適用になるため、歯列矯正を受ける際は症例に当てはまっていないか調べるといいでしょう。
また、保険適用でなくてもマウスピース矯正にすることで、矯正費用を抑えることができます。
自分に合った予算かつ方法できれいな歯並びを手に入れましょう。