こんにちは。川崎市中原区の歯医者「武蔵小杉コモンズ歯科」の吉田です。
前回、当院のスタッフの虫歯治療のお話をしました。
今回は、その治療の続きをお見せしようと思います。虫歯の治療を終え、薬理効果のあるお薬を入れ1週間以上経過を観察しました。
ここからは、歯の形を整えて、特殊な粘土で型をとります。
実は、虫歯治療後の歯の修復法はさまざまです。その歯の状態によって、治療内容が異なります。
当然、それぞれの治療にメリット、デメリットが存在します。
例えば、虫歯の範囲が小さい場合、直接的に樹脂を流し込み、歯の形態を修復します。(コンポジットレジン修復)
保険適用の治療になりますし、色彩も白く即日で修復可能です。しかし、範囲が大きい場合は、強度の問題からすり減りやすかったり、経年的に劣化を起こし汚れが付きやすくなります。特に、歯と歯が接している部分に、樹脂の治療を行う際は、形態を整えるのが難しい為、清掃不良を起こすこともあります。治療部位が奥歯なのか前歯なのか?それによっても考え方が変わります。
大切な事は、現在のご自身の歯の状態を加味し、処置内容のメリット、デメリットをしっかりと知った上で治療を受けるということです。案外ご自身の歯の状態は無視して、治療内容だけで考えてしまう事が多いように思います。
それでは、今回のスタッフの治療に話を戻しましょう。
今回、彼女に提案した処置内容は4つになります。①コンポジットレジン修復②インレー修復(銀歯)③インレー修復(金歯)④インレー修復(セラミックス)です。
まずは、コンポジットレジン修復にするか、インレー修復にするかを考えてもらいます。
インレー修復とは、部分的に詰め物を接着剤でつける治療法です。
治療をすすめる歯は、第一大臼歯と言って、食事をする際に大きな力がかかる部位になります。また、今回の虫歯は、歯と歯の間(隣接部)の清掃不良が原因となっています。
コンポジットレジン修復のメリットとして、直接的に樹脂を流し込み即日で治療が終わります。見た目も白くなります。デメリットは、長期的に見た際の強度が不足する可能性(天然の歯より柔らかい為)樹脂が経年劣化によって汚れやすいことです。
実は、今回の虫歯の歯は以前、歯と歯の間と噛む部分にコンポジットレジン修復が行われていました。
緑のラインで示した部分がコンポジットレジン修復の範囲です。
樹脂の内部に虫歯が広がっていました。これは、コンポジットレジンの経年劣化及び、清掃不良が原因だと思われます。インレー修復のメリットは、機械的強度が強い材料が使える事、型をとって模型上で詰め物を作成するので歯の形態が自然かつ綺麗になります。つまり清掃がしやすくなります。
本人的に、今後のリスクや再治療をなるべく避けたいという要望もあった為、今回はインレー修復を進めることになりました。
インレー修復にも種類があり、銀歯や金歯、セラミックス等があります。それぞれメリット、デメリットがありますが、それはまた今度細かくブログにしようと思います。
長期的、強度的、清掃性、審美性を考慮して、本人と相談の上セラミックスの詰め物を入れていく事になりました。治療計画が決定しましたので、治療に移ります。
前回入れたお薬と、歯の形を整えていきます。使う材料によって、形の整え方は違います。拡大視野で丁寧に治療を進めていきます。
形が整ったら、特殊な粘土を使って、型どりをします。
ここに、石膏を流し込むと模型ができます。
この模型を、技工士さんに送り、詰め物を作製してもらいます。一つ一つの作業を丁寧に行わないと、良い詰め物が出来ません。また少しでもエラーがあれば、やり直します。
とにかく、繊細に、精密に作業をしていく事が大切です。
最後に、仮蓋をして終わりになります。物にもよりますが、詰め物が完成するのは1~2週間程かかります。
次回は詰め物をとりつけます。
今回はここまでです。引き続き、ブログで報告させていただきます。
虫歯治療や詰め物の事で相談があればお気軽にご連絡下さい。