こんにちは。川崎市中原区の歯医者、武蔵小杉コモンズ歯科の吉田です。
今回は、矯正治療の目的についてのお話です。
皆さんは矯正治療についてどのようなイメージがあるでしょうか?
実際、患者様のお話を伺うと、見た目が綺麗になることや、歯磨きがしやすくなる治療という認識が多数を占めていました。確かに、治療の目的としては間違ってはいません。しかし、矯正治療の大きな目的として、失われている歯の機能を取り戻すという事があります。
矯正治療を希望される方は、ほとんどがご自身で審美的な問題や歯磨きのしにくさを感じ、治療を受ける事が多いと思います。歯並びが原因で歯の機能を失っている事を感じている方は、実は多くはありません。
当院では、一見歯並びが良さそうに見える方にも矯正治療をお勧めする場合があります。
歯はあるけど、機能を失っている状態とはどういうことなのでしょうか?まずは歯の機能のお話をしましょう。
お口の中には、全部で28本永久歯が存在しています。親知らずを入れると32本ですが、問題なく生えている人は稀です。永久歯は、大きく分けると2つのカテゴリーに分類されます。
臼歯と前歯です。カテゴリー別にそれぞれ役割があります。
臼歯の役割は、物をかみ砕いたり、すり潰す働きがあります。この役割は、皆さんなんとなくご存知かもしれませんね。もう一つ、重要な役割があります。それは顎の高さを支える役割です。口を閉じる際のストッパーの役割になっています。つまり、臼歯を失ってしまうと、咬みこみが深くなりすぎ、前歯への負担が強くなりすぎる可能性があります。臼歯の生えている向きや、位置によっては慢性的に他の歯が痛んでいくケースは多いです。
次に、前歯の役割についてです。前歯は、物を咬み切ったり、発音する際に重要な働きがあります。それ以外でいうと、顎の三次元的な動きを助ける機能があります。顎はただ開閉するだけではなく、左右に偏移しながら複雑な運動を行います。左右に動く際に、前歯をうまく利用する事により、奥歯の負担を軽減させます。つまり、前歯を失ったり、位置異常があると奥歯の負担が強くなり、問題が発生する事がありあます。
まとめると、奥歯と前歯には相互に助け合う関係があります。どちらかの機能を失ってしまうと、片方への負担過多が起こり、お口の中やその周囲の関節、筋肉に障害が起こる要因になるのです。
一見歯並びが良く見えても、実際診断をしてみると全く当たっていない歯や、相互で助け合う位置や向きでない歯が見受けられる事があります。これらの機能回復を行うのも矯正治療の目的になります。
自分の歯がしっかり噛んでいるのか?機能的に問題ないか?
気になる方はお気軽にご相談下さい。